[おまけな話]
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 ドナーカードのこと。 

ドナーカード


これ、ご存じですか?「臓器提供意思表示カード」、通称「ドナーカード」です。簡単にいえば、死亡したとき(脳死含む)、臓器を移植のために提供するかどうかという本人の意思を示すものです。もちろん「提供しない」という意思も示すことができます。また、どの臓器を提供するかということも表せます。

このドナーカード、「いったい、どこで手に入るんだろう」と思ってる人も多いと思います。私も最初はわかりませんでした。でも、ある日近所のコンビニエンスストアに置いてあるのを見つけました。最近では徐々に、そういった店舗など多くの人が集まる場所に置かれるようになってきています。また日本臓器移植ネットワークのwebサイトでも申し込みができますし、pdfファイルもあります。

では、実際このカードはどのようになっているか?

裏面には、

1.脳死の判定に従い、移植のために臓器を提供する。
2.心臓が停止した死後、移植のために臓器を提供する。
3.臓器を提供しない。

という項目があります。「提供する」場合はどの臓器(心臓・肺・肝臓・腎臓・膵臓・小腸・角膜 等々)を提供するか、ということも記入できます(○×で記入)。個人それぞれの意思で記入し、常に携帯しておきます。あらためて何かの機関などに登録する必要はありません。15歳以上の人なら意思表示できます。ただし、実際に臓器を提供する場合は、残された家族の同意が必要です。

もともと、腎バンクやアイバンクがありましたが、それらはそれぞれ個別にドナー登録する必要がありました。私も登録したいとは思いながら、その方法や手段などがわからなかったので、今までのばしのばしになっていました。でもこのドナーカードが登場したので、ちょっと嬉しく思っています。

ちなみに、臓器提供の意思表示というのは、このカードでのみできるというわけではありません。ようするに本人の意思という確認がとれればいいわけです。ただ意思表示のための必要事項がわかりやすいですし、クレジットカードや免許証と同じサイズですので、カード入れや財布に入れやすく便利でしょう。

1997年に臓器移植法が施行されて以来、何度かこのドナーカードによる意思表示で脳死判定後の臓器移植が行われています。ニュースでやってますよね。脳死状態だとわかったら、すぐに臓器移植の準備を進め移植手術をするほうが、その臓器の定着率がよいのです。日本では長年にわたって「脳死は死であるか?」という議論がなされてきました。臓器移植法によって「脳死は死」であると判断すると結論づけられましたが、その判定には充分な検査と診断が必要です。なにしろ、その人が死亡しているかどうかという確認をするわけですから。テレビの報道や新聞雑誌の記事など、プライバシーの侵害につながらないように配慮はされているようですが、やはり「こんなに騒がれるのはちょっと嫌・・・」と思われる人も多いでしょう。しかし、脳死判定の公正さ正確さを広く知らせるための情報公開は、とても重要で必要なことです。今後、もっと多くの脳死判定が行われていくでしょう。そのうち「騒ぎ」にはならなくなるかもしれません。しかし、今までと同じように関心が向けられるべき問題であると思います。

※脳死とは・・・自力で呼吸ができない、外界からの刺激に対する反応がない、その状態が回復しない、という状態です。ちなみに全死亡者のうち脳死になるのは1%未満だそうです。

移植される臓器の提供を待つさまざまな多くの患者(レシピエント)がいます。人それぞれ考え方は違うでしょう。今現在健康な人の中には「他人の臓器をもらってまで生きながらえるなんて・・・」と思っている人がいるかもしれません。実際そういう声を聞いたことはあります。「自分が死んだら・・・」一度は誰でも考えることだと思います。今、健康であっても、いつなんどきどうなるかは誰にもわかりません。もしかしたら自分自身が突然の事故にあうかもしれません。ある日健康診断で内臓疾患を告げられるかもしれません。誰もがレシピエントとなる可能性があります。ドナーカードで臓器提供の意思表示をするということは、どこかに住む誰かのためであると同時に、提供するための臓器を健康に保つ、ひいては自分自身の健康管理にもつながるのではないかと、私は思います。

最後まで読んでくれた方、これは何も強制するものではありません。これを読んで、どこかのお店でドナーカードを見かけたら、身近にレシピエントがいたら、一度考えてみませんか。

つたない文章で失礼します。

敬具